構造経済とは

 市場が成熟してきたら量から質へと転換していかなければなりません。それに応じて規制と監視を強化する必要があります。
 市場の成熟してきたら、それまでの安かろう、悪かろうという市場から、高品質の市場へと転化することが要求される。その好例が、食料である。食の安全と言う事が問われるようになってきた。食の安全を保証しつつ、多様な要求に対処することが、食品市場に要求されているのである。
 大量生産、大量消費から、多品種少量生産、計画的消費、合目的的消費、効率的消費へと変化させることです。
 例えて言えば、ホテル業界です。多くの人を安く宿泊させると言う目的から、一人一人の所得や要求、目的によってホテルの施設と設備の質を選択できるようにすることです。
 その為に、必要なのは、高品質化です。高品質を保つためには、コストが掛かります。その為には、利潤の確保が優先されます。
 故に、品質を維持するためには、規制を強化すると同時に、不当廉売の監視を強めることが肝心です。

 経済は、人間の意識の所産です。意識は、相対的な基準でしか対象を認識できません。相対的基準とは、比較対照です。比較対照は、位置と運動と関係によって成立します。位置と運動とは、対象間の距離と時間的差、変化の差を意味します。つまり、差を付けることを前提して成り立っています。

 その為に、経済を成立させるためには、合理的、構造的な差別化、区別化をする必要が生じます。合理的、構造的というのは、能力や実績に基づく差別化、また、その人その人の働き役割に応じた区別を指して言います。即ち、実力主義です。
 それ以外の属性、即ち、人種、宗教、性別、出自といった要素に基づく差別は、社会を硬直化させるために極力排除されるべきです。

 対象の所得や要求、用途に応じて合理的、構造的に区分すべきなのです。

 プロスポーツの世界は、それぞれの技能に応じて一軍と二軍が別れています。ただ、能力と技能、実績によってこの一軍と二軍との間の移動は可能です。この体制があってプロスポーツの質は保たれているのです。
 ただし、実力以外の要素がこれに加わると制度そのものが硬直的になり、プロスポーツとして成り立たなくなります。

 次ぎに格差の是正です。大幅な格差は、分配構造を歪め、組織のストレスを高めてしまいます。最悪の場合、社会構造そのものを破壊してしまいます。故に、社会の格差を一定の幅に納める必要があります。
 その為に、所得の再配分と、最低限の生活保障が必要になります。

 また、経済の単位を確立し、複数の経営主体による自律的活動を保証する必要があります。経済単位の確立とは、必要に応じて幾つかの経済主体(共同体)に分割して自律的機能を持たせることを意味します。プロ野球で謂えば、チームであり、球団です。
 組織の単位化は、第一に、個人にとっては、選択の自由の保障にもなります。第二に、組織の自律性を維持させます。第三に、機能を分散化し、独裁的権力を抑制します。第四に、適切な規模の維持を目的としてます。適切な規模とは、最も効率的な規模を指して言います。第五に、市場の原理を働かせ、相互牽制作用をもたらせます。第六に、格差を抑制する効果が期待できます。

 これが構造経済です。

 経済犯罪とは何か。それを見極めることである。収益が上がらなくなってきたために、会計を操作することが間違いだとしたら、全ての企業は該当するであろう。経済犯罪というのは、自己の利益のために、市場の規律を破壊する行為である。つまり、市場を欺いたり、騙したり、破壊する行為によって不当に利益を得る事である。
 市場のルールに従っていながら、利益を出せなかったからと言ってそれを犯罪とするのは間違いである。ただ、不当に高い報酬得るのは、犯罪行為に近い。

 公債を返せなくなった時、どうするのかというと。一つは、返さなくていいいものに置き換えるという手段をとると言うことです。第二に、貨幣価値を下げる。第三に、借金そのものの価値を下げる。第四に、債務不履行です。第五に、凍結してしまう。第六に、体制を根本から変えてしまう。
 第一の返さなくていい物に置き換えると言った場合、返さなくていい物とは何かですが、それは、第一は、紙幣、証券です。第二は、資本です。つまり、株ですね。第三に、税です。第四に資産です。第五に、負債、借金の付け替えです。第六に、預金、貯金に替えてしまう。
 実は、この六つは、資本主義経済の黎明期に行われた事なんです。そして、バブル現象を引き起こしている。
 借金を構成する要素は、第一に、元本。つまり、借金そのものの本体であります。第二に、金利。これは、時間経過から生じる価値。第三に時間。第四に貸し手。第五に借り手。そして、第六に担保。第七に、返済方法です。借金を解決する手段はこの七つの要素の中に隠されています。
 公債の歴史というのは、ただ返却すればいいと言うのではなくて、返せなくなったらどうするのかと言うところからはじまっているんですね。それが、議会を生み、戦争や革命を引き起こしている。

 つまり、公債というのは、返さなければならないと思い込んでいると行き詰まる。返せないならば、返せないことを前提として、手段を考えるしかないのです。ただ、返せないんだからと開き直るのではなくて、返せなくなった原因もしっかりと把握しておく必要がありますが・・・。

 不良債権を長期国債、永遠国債で買い取る。同時に、資本化すると言うような手段をとられたこともある。 





                    


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