民主主義とは

民主主義



 今こそ、日本人も中国人も歴史に学ぶべきである。日本中国が相争うことは、歴史的に見て両国にとって得な事はない。

 いつから中国人と日本人は、分かたれたのであろう。
 かつて日本は、大陸からあらゆる文物を摂取してきた。文字も文化も価値観も大陸からもたらされた。それが戦国時代になると太平洋の彼方からも文物が渡来するようになった。あるいは、その時から日本と中国との間に溝が生じ始めたのかもしれない。

 民主主義は、混沌の中から生じる。
 混沌は、無政府主義や独裁主義も同時に生み出す。
 いわば、無政府主義や独裁主義は、民主主義の兄弟である。
 故に、民主主義は、無政府主義や独裁主義に変質する危険性を常に孕んでいる。
 民主主義は、暴力革命によって成立する。
 民主主義が成就するためには、専制主義と戦わなければならない。
 専制主義体制は、階級制度を土台としている。
 階級制度は体制によって維持されているから、階級制度の恩恵をよくするものは、力によって体制を維持しようとする。故に、民主主義を成就させるためには、革命によらなければならないのである。
 民主主義体制の多くは、革命や、クーデター、独立戦争、戦争の結果によって成立する。
 専制主義は、体制によって維持されている。故に、権力者個人の意志では体制を変革することは出来ないのである。だからこそ、体制の変革期には、無政府な状況が生じ、暴力に支配される時代になる。民主主義を確立しようとするものは、その点をよくよく覚悟しなければならない。
 いずれにしても、自由は、人民の血によって贖われるのである。
 昨今、民主化運動が流行であり、何でもかんでも民主化すれば解決するといった風潮がある。
 しかし、民主主義は絶対ではない。民主主義にも弱点や欠点はいくらでもある。それをよく見極めなければ、民主主義の利点は活かせない。又、真の民主主義も成就できない。
 自由主義者、民主主義者は、民主主義は、混乱と無秩序の中から生まれる仕組みだと言う事を理解しておく必要がある。
 民主主義という体制そのものが成立すること自体、希有な現象なのである。
 それだけ民主主義というのは、確立し、維持するのが難しい体制なのである。

 民主主義は、無政府と独裁の間を揺れ動きながら形成されていく。急げばどちらかに傾いてしまう。民主主義は、天の時、地の利、人の和の条件が整っていなければ成就しない。

 ゼロサム関係が成り立つという事は、表裏の関係にある国や経済主体があることを意味する。

 経済には、陰陽、虚実、表裏、寒熱がある。

 全てが陽となる組み合わせと全てが陰になる組み合わせはない。
 それ以外の組み合わせの形が経済の状態を表している。

 負と正は、陰陽の関係にある。
 赤字と黒字、損失と利益は陰陽の関係にある。

 景気は、サイクル、循環によって決まる。循環には正の循環と負の循環がある。

 負を陰、正を陽に置き換えると景気の循環は、陰陽の形の相関関係に表すことができる。

 則ち、経済の状態の形には、次の形がある。
 陽陽陽陰。
 陽陽陰陽。
 陽陰陽陽。
 陰陽陽陽。
 陰陽陰陽。
 陽陰陽陰。
 陰陽陽陰。
 陽陽陰陰。
 陽陰陰陽。
 陰陰陽陽。
 陽陰陰陰。
 陰陽陰陰。
 陰陰陽陰。
 陰陰陰陽。

 陰陽の力はいつも均衡する。
 これが大前提である。

 負債と資産、フローとストック、名目と実質は虚実の関係にある。

 貸し借り、売り買いは、表裏の関係にある。
 収入と支出は、表裏の関係にある。
 経常収支と資本収支は表裏の関係にある。

 下降と上昇、縮小と拡大は寒熱の関係にある。
 デフレーションとインフレーションは寒熱の関係にある。
 不況と好況は寒熱の関係にある。

 日本人は、中国を知っているようで知らない。特に、中国通と言われる人ほど知らない。中国を知るためには、中国の豊かさ、広さ、深さ、多様さを実感として知る必要がある。中国人にとって中国は世界なのであり。小宇宙なのである。中国以外の人間は、中国人にとって化外の人間である。それを理解しないと中国人の国家観は理解できない。自分達の世界を護ること以外に、中国人にとって世界から飛び出して危険な場所を支配する意味がない。だからこそ、中国の戦略は、防御を前提としているのである。
 中国は奥深い。日本人は、中国と言っても表層しか知らない。特に、中国人の宗教、死生観を知っているようで知らない。
 漢方医学、風水、太極拳、気功、道教、京劇、音楽、料理、言葉、文字、名前。何れにも中国人哲学がある。迷信と片付けたら中国人の哲学を理解することは出来ない。
 諸子百家の中には、全ての思想の素がある。共産主義も、社会主義も、民主主義も、自由主義も、国家主義も、君主主義も、軍国主義も、法治主義も、全ての思想の素が諸子百家の中にはある。
 そして、西洋が全て正しいように思い込んでいる。
 中国的な文物と西洋的な文物は、表裏の関係にある。中国的な文物と西洋的な文物が一つになった時、新しい時代は始まるのである。

 中国人は、謝らないと聞いた。日本人は、謝れば許されると思っている。だから、すぐに謝る。謝れば済んだことにしてしまう。中国人が謝らないのは、謝っても済まないと思っているからだ。むしろ、謝れば、自分の過ちを認めたことになる。そうなると後が大変だ。だから、簡単には謝らない。
 日本人は、謝れば済むと思っている。中国人は、謝ったら済まないと思っている。これでは、話は平行線を辿るだけである。ただ、注意しなければならないのは、中国人的な考え方が世界では一般であり、日本人的考え方の方が特殊だと言う事である。

 中国が、本来の輝きを取り戻した時、世界は変わるのである。





                      



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