なぜ、税金はなぜ支払わなければ、又、なぜ徴収しなければならないのか。そこが問題なのである。
現代社会においては、税金がある事は、所与の事、自明な事、当たり前の事のように捉えられ、改めて問い直す事すらされなくなった。

財政支出を賄うだけなら、お金を刷ればいいだけである。しかし、そんな事をすれば、すぐにインフレーションに陥ってしまう。
そこに税金の働き、その裏側にある財政の働きが隠されている。

まず第一に税というものに対する認識に錯誤がある。
今日、税の目的は、第一に、行政費用をまかなう為。第二に、所得の再配分。第三に、景気の調整機能の三点が挙げられる。しかし、これはあくまでも税を徴収する目的を述べているに過ぎない。
先にも述べたように、行政費用をまかなう目的ならば「お金」を必要なだけ刷ればいいのである。
税は、所得の再配分だと言うが、なぜ、所得を再配分しなければならないのかについて機能的な説明がされていないのである。
所得を再配分するにしてもなぜ、再配分しなければならないのかは、道義的な問題としてしかとらえていない。
同様に、景気の調整機能というが、税を徴収する事で景気に対してなぜ、また、何が、どのような影響を与えるのかが判然としない限り無意味な事である。
なぜ、税金を徴収するのかが問題なのではなく。税金が貨幣制度に対してどのような役割、働きをしているかが重要なのである。

つまり、税の目的を知る為には、税の働きを明らかにする必要がある。
その前に確認しておかなければならないのは、税金というのは、貨幣的事象だという点である。
税金は、金納を前提として成り立っている。税金というのは、貨幣的事象なのである。
この点が税金の働きを知る上で重要となる。

税は、金納される以前は物納を前提としていた。税の働きは、金納と物納とではまったく違う働きがある。
物納の場合の税は、貨幣制度に直接的な影響を与えないという点と、納められる物の特性に制約されているという点が税金と決定的に違うのである。また、物納である場合、租税は直線的で単一的な働きしかしない。金納する事で税ははじめて双方向の働きをする事が可能となるのである。

貨幣制度は、「お金」を分配し、回収する仕組みである。
税金制度というのは、貨幣制度の一部である。

行政費用を支払うだけの目的ならば、税を徴収する必要はない。必要なだけお札を刷ればいいのである。
しかし、その様な事をしたら貨幣価値は維持できない。第一に、貨幣は、循環する事で機能を発揮するからである。第二に、貨幣の働きは分配の手段だからである。第三に、貨幣価値は、流通する貨幣の量と貨幣と財双方の需要と供給によって成り立っているからである。第四に、貨幣は、閉じた空間でしか機能しないのである。つまり、市場に流通する財の総量も貨幣の流量も有限である。第五に、取引は等価を前提に成り立っているから、市場全体では、貨幣価値の総和は零になる。
これらの事を前提とした結果、三面等価が成り立つのである。
つまり、財政というのは、資金を循環させる為の機関なのである。だから税は制度を土台として働いているのである。税は制度でなければ機能しない。

物納の場合、資金の供給と回収という働きに税制度がまったく介在していないのである。
それが今日の税金の働きを惑わしている。そして、その延長線上にある財政の働きも見えなくしているのである。

元は借金である。
大前提は、現代の経済は「お金の循環」によって動かされているという事である。
第一に、貨幣制度は貨幣が社会の広く浸透している必要がある。第二に、全ての人に何らかの基準で絶え間なく配分される必要がある。そのためには、資金は常に循環している必要がある。第三に、貨幣の循環が生産手段を動かす力にならなければならない。
そのためには、お金は、国と金融機関、企業、個人間の貸し借りによって「お金」を予め配分する必要がある。人々は、配分されたお金によって売買を行い市場に資金を市場に循環させる。お金の循環を促す為に税を回収し、公共投資をするのである。なぜならば、市場を制御する為には、市場に流通するお金の量を一定の基準で制約される必要があるからである。
お金の働きは、売買によって発揮され、お金の過不足は貸し借りによって調整される。

神は、超越者であり、絶対である。
善も悪も相対的である。
神は絶対である。故に神に善悪はない。
善も悪も人の問題である。
人は、自分の善悪によって裁かれる。

環境を破壊する事も争う事も人が原因であり、人が作った問題なのである。
神の問題ではない。
神を呪ったりしても報いは人が受けるのである。
環境を破壊や戦争による荒廃の報いも人が負うべき事であり、神に救いを求めても無駄である。

自らを助ける者を神は救うのである。





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