アメリカの産業が衰退した理由

 アメリカの産業が衰退した真の理由を考えるべきです。アメリカの衰退した真の理由は、アメリカが、アメリカらしさを喪失したところにあります。

 アメリカらしさとは何か。それは、リンカーンやケネディの演説によく表されています。
 アメリカとは、人民の人民のための人民による政治です。また、アメリカ国民は、国家に対して何をしているかを期待するのではなく。国家に対して何が出来るかを期待すべきだと言う事です。
 アメリカのアメリカらしさというのは、勤勉と国家への忠誠です。それが、忘れ去られたからアメリカの産業は衰退をし始めたのです。

 アメリカンドリーム。アメリカンドリームの意味は、金持ちになることではなく。ミッキーマウスが言うように、求め続ければ、夢は必ず実現する。努力は必ず報われるという事です。

 アメリカの産業は、ピープルのものではなくなった。金儲けの道具に過ぎなくなったのです。アメリカの産業は、そこで働いている者のものでも、その産業がある地域のコミュニティのものでも、国家のものでもなくなった。

 経済には、人、物、金の別があります。今の経済は、金だけの世界です。アメリカは、金に毒されているのです。

 その結果、第一に、短期利益ばかりを追求し、長期的展望が持てなくなった。第二に、人への投資がされなくなった。第三に、資本、経営、労働者が分離し、企業としてのアイデンティティが失われた。第四に、内部留保が出来なくなり、資金が外部へ流失した。そして、第五に、何よりも自分達が創り出す物や自分達の仕事に対する誇りを失ったのです。

 金は、金です。アメリカ人は、金や権力が全てでないことを知っていました。

 アメリカの本質は、プラグマティズムにあります。それは、実用性であり、物作りの精神です。そして、仕事と糧に対する感謝の精神です。アメリカ人の本質は、金儲けにあったわけではありません。

 アメリカの企業は、大きくなりすぎました。だから、人々や地域の生活から乖離したのです。
 何のための仕事なのが誰にも解らなくなってしまったのです。その為には、これ以上企業を統合するのではなく。企業を適正な規模まで分割することを考えるべきです。企業は、国家に、地域住民に、そして、働く人々に、また、消費者に奉仕する機関でなければなりません。寡占、独占は、共産主義と実質的には変わりないのです。

 金の使い道も、投機から投資へと転換すべきなのです。

 もう一つ重要なことは、人々の生活に目を向けることです。

 アメリカ人は、錯覚しています。日本の強味だと言われる日本的経営、品質管理、終身雇用、家族的経営のルーツは全てアメリカにあります。

 アメリカは、偉大です。アメリカの再生の鍵は、アメリカ建国精神への回帰にあります。 アメリカの産業の衰退は、アメリカがアメリカであることの自信と誇りを失ったことにあるのです。アメリカの産業の再生は、アメリカ人がアメリカに対して自信と誇りを取り戻せるかにかかっているのです。






ページの著作権は全て制作者の小谷野敬一郎に属しますので、 一切の無断転載を禁じます。
The Copyright of these webpages including all the tables, figures and pictures belongs the author, Keiichirou Koyano.Don't reproduce any copyright withiout permission of the author.Thanks.

Copyright(C) 2001 Keiichirou Koyano