極東の安全保障について


 米中関係は、今後表裏の関係になると考えます。米中は、益々、相互依存、相互互恵関係が強まることが予測されます。
 しかし、米中は、無条件で結び付ける相手ではないと私は考えます。相互依存関係を強めながら、多くの局面で競合関係になると考えられます。
 かといって米中が直接対決すれば世界は、破滅します。
 米中間に日本が緩衝材として存在するから、米中は均衡が保てるのです。
 さもなければ米中は一衣帯水の関係となり、直接、利害をぶつけ合うことになります。
 日米関係は、現状維持が、アメリカにとっても中国にとっても都合が良い。一点は、地理的な条件である。もう一点は、経済的理由である。最後に政治的立場の問題である。
 日本は、地理的には、アジアにおけるアメリカの中心的拠点であり、アメリカが、日本という拠点を失えば、中国との関係も疎遠になる。経済的理由は、中国と日本は、対アメリカに対して同じ立場に立ちやすく。その為に、競合関係に陥りやすい。又、政治的には、日本とアメリカは同じ立場に立つ。日米は、戦略的にも共有部分を多く持っている。この関係は、一朝一夕には覆せない。
 日本がアメリカよりであることによって極東の均衡は保たれている。
 これは、アメリカとロシア、ロシアと中国との関係にも言えます。
 領土問題は、どこに国にも存在する。領土問題とは、国境問題である。故に、軍事的問題に発展させるべきではない。軍事的問題になれば収拾がつかなくなる。
 領土問題は、政治的、経済的問題に留めるべきである。資源問題にしても、資金、人材、技術において相互に協力した方がお互いにとって得である。
 国富の基礎は、結局、人口の比率すべきである。今は、その過渡期にある。
 恩讐を越えて、中日は、大人の関係を築く必要がある。
 日本は、アメリカ、中国、ロシアの三国の要に位置する。日本は、現実を直視し、自国の役割を理性的に果たしていく必要がある。

 日本は、極東の安全保障の要である。日本の政治や経済が破綻すれば、一気に極東の安全保障は流動的になる。
 米中ロは、三つどもえの戦いに巻き込まれる。
 日本は、アメリカが極東に打ち込んだ楔だからこそ極東の安全保障は保たれるのである。







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